全米が絶賛した井口資仁の「あのプレー」はいかにして生まれたのか
井口資仁監督に聞く。Q23. 守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<後篇>
もしプレーの映像を見る機会がったら確認してみてください。キャッチしてボールを右手に握り返した直後に、グラブをした左手で地面を叩いているはずですから。
だから、あのプレーは、決して無理な体勢からむやみにファーストへ送球したわけではありません。あの瞬時の間に、実際にファーストの姿も確認していました。なので、送球した瞬間に体は空に浮いていましたが、感覚としては、立った姿勢でボールを投げるいつもの送球をそれほど違いがなかったわけです。強いて違いを挙げれば、自分の眼から見て、ファーストが縦になってるか、横になってるか、その角度がいつもとは変わっていただけというか……。
もし自分の中で「バランスを取れている」という感覚がなかったら、ファーストへは送球していないでしょうね。逆に言えば、投げてアウトにできたということは、バランスがとれていたということでしょう。このように、セカンドに取ってバランスというのはとても重要な要素なんです。
最後に。ここでセカンドとショートの違いを話しましたけど、決してセカンドの守備よりもショートの方が簡単だという意味ではありません。ここでは敢えて、ショートよりも難しいと思われるセカンドのプレーを紹介しただけですから。もちろんショートにもセカンドよりも求められる要素……例えば肩の強さなどがあります。
2つのポジションとも、センターラインと呼ばれる守備の要。念のために付け加えておきます。
明日の質問は…「Q24.現役時代の忘れられないシーンベスト3を教えてください」です
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